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天空七百年
天空七百年
# ファンタジー
鐘の音が辺り一面に重く響き渡る。
始まりを告げる合図。
同時に家々の扉が一斉に開け放たれた。
すぐに住人達が表に飛び出す。
彼らの瞳は好奇心の輝きに満ちている。
誰も彼もが我先にと鐘がある方向へ走り出す。
これから起こる出来事が余程待ちきれないらしい。
ゴォン…ゴォン…
その野太い音は、寝坊助な少女の耳にまで潜り込んできた。
呻き声を漏らし、耳障りとばかりに寝返りを打つ。
彼女に追い討ちをかけるように、小さな家の戸が激しく叩かれた。
「リディア!起きて!」
少女を急かす怒鳴り声。
しかし心地よい眠りの世界に浸っている彼女には届かない。
「何してるの!早く!」
全く騒々しい。
このカナリアみたいに高い声はアッレーグラね。
親友の呼び声に心の中で悪態をつきながら毛布に顔を埋める。
だが次の瞬間、友が放った一言が少女を一気に現実に引き戻した。
「今日はディボータよ!」
氷華の贖罪
氷華の贖罪
# ファンタジー
血のように赤く、悪魔の笑みのように細く弧を描く繊月が私を見下ろす。
凍てつくような冬の風は妙に重苦しく、黒過ぎるほどに黒い夜空には酷薄に冴えた星々が瞬いていた。
かじかんだ手が握る古びた懐中時計は最も夜が深くなる時刻を指し示している。
眼前の石床には、ぼんやりと薄緑に発光する鉱石の粉で描いた精緻な魔法陣がある。
足元には開かれた古い魔道書。
全ての準備は完璧に整っていた。
あとは私が、覚悟を決めればいい。
息を吸って、あらかじめ暗記してあった文言を朗々と詠ずる。
「魂喰む高貴なる化生、至高にして悪辣なる御方よ!我、己の魂を対価とし大願を叶えんと欲すもの!これなるは異界への門、道は既にして繫がれり!汝等の内に慈悲深き御方あらば、誰ぞ我が呼び声に応え、地の底の異界より這い出し給え!」
刹那。魔法陣が、私の視界を白く染め抜くほどの閃光を放った。
天才君と凡人先生
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# 異世界
剣と魔法の異世界といえば、急に湧いて出て好き勝手やらかす転生者が定番だ。
しかし、残念ながらこの世界には過去数十世紀に渡って転生者が存在しなかった。ファンタジーにありがちな長命種等も存在しなかったため、もはや転生者という存在自体が歴史から消え去りつつある状態だ。
しかしどんな世界にも単騎で世間を引っ掻き回す輩は存在するもので、転生者のいないこの世界ではそんな奴は現地人の中から現れる。
関西弁の女子高生、男爵家に転生し、とある勇者と共に過ごす
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# 異世界
第一話 ここ、どこなん?
目を覚ますとそこは草原だった。その草原にある丘の上に私は倒れていた。体は痛くないが、気持ち軽めな気がする。
取り敢えず立ち上がってみる。するといつの間に用意していたのか、目の前に白い椅子と机、パラソルが設置されていた。
さらに机の上にはクッキーとティーセットが置いてあり、片方の椅子には女性が座っていた。
私はもう片方の椅子にほぼ無意識で腰掛け、相手の顔を見た。それは美しく、整っており綺麗だったが、どこか冷たく、人間味をまるで感じられないような顔だった。
そこで私は声をかけみることにした。
「あの、すみません。どちら様でしょうか?」
すると女性は口を開いた。
いつもの場所のはず
いつもの場所のはず
# ホラー
「いつもの場所だよね。」
悠太が驚いた声で言った。俺も同じ事を思った。一緒にいた友だち全員思ったと思う。いつも集まって放課後の時間を潰している場所、自然に集まっていつも騒いでいる場所。
「なんか怖くないか。」
「いつからこんなになんたんだよ。」
「まるで別の場所みたいだな。」
何も考えられずみんな黙ってしまう。俺を含めて、昨日までとは別の姿の場所に戸惑いを隠せてないのだろう。
後で俺も気づいたのだが、この変化が始まりにすぎないことをこの時点では誰も知らなかったのである。
ハルと僕
ハルと僕
# 恋愛
募集数 1/2
「ねぇこれ見て。かわいいよね。」
笑顔で僕の前に小さな花をみせる。僕も笑い返しながら花を受け取る。どこにでもある小さな花だがいつもと違って見えた。
「ハルは卒業したらどうするの。」
「え、私?私は進学するつもり。ケンは?」
「僕は、」
突然聞かれた言葉に驚いて一瞬答えられなかった。いや、答えをすぐに用意できていなかった。僕たちは数ヶ月後にはそれぞれ道を選んで卒業していく。もう決めていなきゃいけない。
「僕も進学する…かな…。」
答えは一応見つかったが僕の中では何かが残る。
「まぁ、焦らなくてもいいじゃん。」
ハルは突然優しい口調で言う。そんな言い方しないで。ハルが僕を置いていくみたいじゃん。
青春なんて滅びれば良い
青春なんて滅びれば良い
# その他
女子A「ねえ、今日の放課後どこ行く?」
女子B「私、近くにできたクレープ屋に行きたいな〜」
女子A「確かに!あ、そういえばさ・・・」
青春とは一体何なのか考えたことはあるだろうか。
青春とは何故青い春と書くのだろう?それは元々春は青いからだと言われている
中国古来から伝わる陰陽五行で季節ごとに色が決められており、春には青が当てはまるからだそうだ。
しかし現在の青春では若いという意味だけではなく、夢に向かって努力することや恋愛模様という意味合いを持つことが多い。
これは夏目漱石が書いた『三四郎』が大きな影響を与えているという『三四郎』は熊本から東京に上京してきた主人公が若い人ならでは迷いや不安、恋愛などを描いた作品である
ならば夏目漱石がいなければこのような青春が生まれなかったか?
絶対に違う
あっても無くてもこのような幸せそうな青春はうまれていただろう結論から言おう
青春は滅びれば良い。
夢の話
夢の話
# 純文学
募集停止中
これは僕が見た夢の話だ。
言ってみれば唯の作り話。
でも、とても美しい話だから、どうか最後まで聞いてほしい。
僕は満天の星空の下、白百合が咲き乱れる野原で目を覚ました。あたりは甘ったるい花の匂いが充満している。虫は元気に鳴いているが、周りには人っ子一人いない。
僕は野原に寝転び、しばらく星を眺めていた。星座なんかわからないから、ただ眺めてるだけ。
探偵が消えた世界
探偵が消えた世界
# ミステリー
「探偵」 それは、警察ですら解けない事件を解決する存在...
しかし、探偵はある絶対的ルールにより成り立っている。
それは、
①探偵が居ること ②事件があること
③警察がその事件を解決出来ないこと
④その事件の解決を探偵に頼むこと
の四つだ。
もし...
①と、④が消えた世界があったら...
どうなるのだろう....
ソラの方舟
ソラの方舟
# 異世界
プロローグ~神の独り言~
月暦2576年、アスタロト星は一度滅んだ。なに、隕石が落ちた、星の寿命が尽きたなどという止むを得ない理由からではない。私が無に戻したのだ。月暦元年、つまりは人間が誕生した年と人間が決めた年あたりから世界の秩序が乱れ始めた。実を言うと人間の誕生はもっと前だが、奴らの脳では知り得ないことだ。もっとも、各地に小国家郡ができ、富のために争い合い始めた頃から期待などしていなかったが。しかし、奴らは神への信仰心をなくすだけでなく、人々をまとめるために神を散々利用した。その挙句、問題が生じれば全て神のせいにする。そうした責任逃れを飽きるほど見てきた。末期には神への信仰心が薄れてき、あろうことか友人にまで責任転嫁する始末。私は辟易(へきえき)した。そんな下衆どもをどうして助ける必要があるだろうか。