女の嘘

『あなた。。。』
目が覚めたとき最初に目に入ったのは大粒の涙を流す女の顔。女は私に抱きつき、泣きながら『良かった。本当によかった』と言った。
女の顔はとても美しく、昔好きだった女優によく似ている。目が大きな小動物系。
女は私の妻だと名乗った。

どうやらここは病院らしい。頭を触るとミイラ男みたいに包帯でグルグルまきになっていた。

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「ごめんなさい。あなたのお名前は?
頭がボーとして、記憶が曖昧で。。。」
正直にいうと女の名前どころか、自分の名前さえ怪しいくらいの状態だった。

女は少し寂しい顔をしてから、小さく微笑み
「和代。苗字はあなたと同じ斎藤です。」
と言った。

「大丈夫。先生がショックで記憶が少しぼやけるかもしれないって言ってたから、仕方ないことよ。
私、先生を呼んでくるね」

涙を拭い和代は席を立った。

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ここまでが一昨日の話。
俺は無事に退院した。どうやら頭の傷は見た目以上に酷くはないらしい。今は病院の前で和代を待っている。家の位置は覚えているのに過保護なやつだ。

暫くすると、黒のワゴン車が目の前で停止した。何故だろう、冷や汗が止まらない。こめかみを伝う汗のひんやりとした感触を感じながらも、俺は目の前の威圧的な車から目を離せずにいた。

「わっ!」
その時、背後から勢いよく叩かれた。

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振り返ると、満面の笑みの和代がこちらの顔を覗き込んできた。
「こんな日向で待っていたの?」
そう言って、日光で汗ばむ俺の額に手を当てる。
「ふふ、熱いわね。早く涼しい場所に行きましょう?」
指先を取られ、黒いワゴンへと誘われる。

「待て、自宅はここから徒歩3分だろ?」
「賀茂さんが送ってくださるって。覚えているでしょう?」
「賀茂……だと?」

その名前は、俺の脳裏に忌々しい記憶を思い出させた。

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どどりあ 2021-11-10 14:40:23

誰か続き書いてくれないかな〜


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