自殺したら死ねない理由ができました

…あれ、私死んでない?
全身血だらけ
身体中の骨が折れているようだ

そう、私はビルの屋上から投身自殺したんだ
でも、生きてる

地面に衝突する直前に見た『アレ』
『アレ』を見た限りは、死ねない

ちょっと前まで死ぬことしか選択肢になかった私だが、今ならある

『アレ』を手に入れる、この手で

そう決意すると、私は立っていた

ボロボロの体のまま、何故か動けていた

痛みさえ感じない

さあ行こう

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『アレ』を探すのは命題。
とはいえ、その前にやることがある。
全身合体、もとい、全身結合。
現状、身体は下半身だけなのだ。
しかも、勃起している。
恐らく、私を見て、絶叫している汗でスケスケの女子高校生の匂いで、たっていた。
どうする?
この状況をどう打破するんだ?
「俺だよ俺」
と、後ろから馴れ馴れしく声をかけてくる奴がいた――――

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「俺だよ俺」
目の前の光景に奮い立つ股間を抑えつつ、声の聞こえる方向を振り向いた。
私と同じく男性の下半身らしき物体が、剥けた陰茎を恥ずかしそうに赤らめつつ、黒光った露茎をパクパクさせながら、こちらへ近づいてきた。
私は仮性包茎なので、少しうらやましいと思いつつ、どこかぬぐい切れない違和感が自身を襲った。
私や目の前の彼に共通して言えることだが、下半身のみで発声しているのだ。

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