Fate/Collision eyes
この小説は、Fateシリーズの設定を利用した二次創作作品となっています。
オリジナル、及び版権作品の中からマスターとサーヴァントを選び、聖杯戦争を行います。
続きを投稿する方はオリジナル、及び版権キャラクターからマスターとサーヴァントを自由に決めてくださって結構です。
舞台は東京都全域となります。
※内容によっては投稿を一時募集停止にしてこちらである程度内容を進めてから再開する場合もあります。
近日中にOPを投稿してから募集を始めます。
深夜を照らす月の光が、透明なガラス越しに突き刺さる。
左右両端から斜めに伸びる白色は薄く、建物の内部を照らすには心元ない。
ならば空間の上端から中央に、他のものより細長く伸びる光ならばどうか。
明暗様々な色が混じり合ったそれも濁りすぎていて役不足だ。
そんな夜の闇に侵蝕され尽くした空間に、一際強い明りが灯った。
漆黒に覆われたその全貌が明らかにされてゆく。
燭台に立て掛けられた蝋燭から、今し方点火した一握りの火が揺らめいている。この真っ暗闇を煌々と照らす光の正体であった。
微かに橙の混ざった灯火が最初に映したものは、礼服を着た、壮年の男だ。
その眉間に刻まれた皺は、深い。嘗てより人間の真理を問い、思考し続けた数々の哲人のものと相違なかった。しかし、その口角は三日月のように釣り上げられている。その渋面とも笑顔とも取れる表情を直視して、気障か、或いは不審者と言う評価は免れないだろう。それだけの普通ではない何かを、男からは感じさせられる。
そして何よりも、周囲の暗澹たる闇はこの男から発散されているのではないか。そう余人に思わせる容貌が、男が胸の内に秘める異常性を表現していた。
「……」
無言。腕を後ろ手に組み。蝋燭の側に立つ男は、神父であった。
この、人とは相容れぬ異常を胸に秘めるこの男こそが、正しくこの辺鄙な教会に於いての、唯一の聖書者であった。この、異常そのものが、である。
世に蔓延る如何なる鬼畜、畜生と言える者よりも邪悪かつ悍ましいサガを持つこの男が平素では素知らぬ顔で有難い聖書やらを読み上げ、神に祈るというのだ。何とも因果な巡り合わせだね、と笑い声が響いた。神父のものとは異なる声音であった。
「──どうだね。ルーラーよ、やはり君から見てもこの聖杯戦争は異常と言えるのか」
深く、心の奥底にまで染み入るような、しかし厳かで荘厳さすら感じる声で神父は『それ』に問うた。笑い声を遮るように響いたその言葉を放って初めて、笑いが止んだ。再び、静寂に包まれる教会。
「異常、異常ね」
もしも声に質量というものが存在するので有れば、その声は軽かった。軽薄そう、とも表現できるかもしれない。声は、教会の入り口、扉の付近から聞こえて来る。教会に備え付けられた木製の長椅子。『ルーラー』と神父から呼ばれたそれは、長椅子の端で脚を組み、十歳にも満たぬ幼子が浮かべる純粋なそれと酷似した満面の笑みを浮かべて、反芻するように言っていた。
「神父様に名前はある?」
「言峰、綺礼」
「じゃあコトミネ君、少し考えてみようか」
人差し指をぴんと立て、言峰と名乗った神父に向ける。
「話に聞くに君は参加者監督役、どっちの立場からも聖杯戦争に携わって来た
そうじゃないか。そんな君に聞くけど───」
一拍置いて、椅子から立ち上がる。蝋燭の火が『それ』の姿を捉えた。
「本来の聖杯戦争なら、サーヴァント七騎が願望機──聖杯を求めて戦うけど、今この『世界』に招かれた主従だけでも20は超えてる。クラスだってそう、重複しているし僕以外のエクストラクラスもいる。セイバーだったりアーチャーだったりが二人いることもザラだしね、ここじゃ」
「数多の平行世界から招かれたマスター、及びサーヴァントもその一例か」
「そうだね、聖杯が生み出したこの仮初の世界は数えきれない平行世界と今もアクセスしている。いつ何時新しいマスター、サーヴァントが増えるかもわからない。───アクセスが途切れるのは、そうだね。今から二週間後、くらいかな?」
「それまでは際限無くマスター、サーヴァント共にこの地に呼ばれる、という訳か」
「そうなるね。でもこのペースで人数が増えたら何が起こるか分からない。そう考えたからこそ、ここの『ボス』は君を招き、僕を召喚させた、ってことだよ。この『特異点』を作り出したボスは、前のボスと違って慎重だね」
青い身体をした、その男は、言い切るなり笑った。これからこの地に巻き起こる激動に、笑みを溢した。
「‥‥‥成程、な。大方、私の役目は理解した。ところで────」
「?」
「おまえの真名を、まだ聞いていなかったな」
「ああ、そうだったね」
言うなり、言峰の前に立つ、ルーラー。恭しく彼の前で礼をし、口元を歪めながら問いに答えた。
「ハッピーケイオス」
「ハッピー………」
「名前だよ」
【言峰綺礼@Fate/stay nignt 】【ルーラー(ハッピーケイオス)@GUILTY GEAR -STRIVE-】
【マスター、サーヴァント、共に認証確認】
がやがや、がやがや。
東京都、杉並区。都心へのアクセスに優れた交通網と、数の多い公園による緑の豊かさを兼ねた地域である。そのお陰か、この東京の中でも住みやすい。移動手段に長けている、という事実は住宅地としても密かに多くの人気を集めているそうだ。
故に平日、それも月曜日の朝。
サラリーマンにOLの会社に向かうスーツ姿、その黒色が餌に群がる蟻のようにひしめいていた。西荻窪駅南口、その付近。隣接する建物と建物の間、人ひとりがようやく入り込めるだろうか、という程に狭い路地裏に。
黒い、黒い装束を纏う男が一人、立っていた。壁面に背中を預け、鋭い眼光を瞳に宿し、虚空を睨んでいた。
『オイオイ、どうしたリゾット?辛気臭ェ顔しやがって……フッフッフッフッ!!』
突如として、頭の中にけたましい声が響き渡る。念話、というものらしい。これのおかげで自分が召喚したサーヴァントにいつ何時もこのように絡まれるのはうっとおしくてたまらなかった。うんざりしたように男────リゾット・ネエロは目を細めた。
『少し黙れアーチャー。気が散る』
念話で言い返すと、『冗談の通じねェ奴だ』という返答と共に黙った。天夜叉を名乗るこのアーチャーはどうにも煩い。陽気を気取ったこのサーヴァントは事実、プライドの高く内面は誰よりも冷めていて、誰も彼もを見下している。それをリゾットはサーヴァント『ドンキホーテ・ドフラミンゴ』を召喚したその瞬間から、理解しているのであった。
だからリゾットは、自分のサーヴァントを心底信用していない。それどころか、一秒でも顔を合わせたくない程に、嫌悪感を抱いていた。
何よりもアーチャーのその在り方が、リゾットの追い求めた『ボス』、ディアボロに重ね合わせたからだ。きっと、ドフラミンゴの方も自分を心底信用していなくて、嫌悪しているのだろう。もしかしたら、アーチャーは『サーヴァント』という今の立場にすら、嫌悪しているのかもしれない。
どちらにせよ、確かなことは、彼らの間には徹底的な断絶が存在していることだけだった。
『オイ、リゾット。────サーヴァントだ』
再び、ドフラミンゴからの念話。どうやら、他のサーヴァントの存在を知覚したらしい。
聖杯開始、一日目の出来事であった。
【リゾット・ネエロ@ジョジョの奇妙な冒険 】【アーチャー(ドンキホーテ・ドフラミンゴ)@ONE PIACE】
【マスター、サーヴァント、共に認証確認】
俺は気がつけば裏路地に突っ立っていた。そして私は運が悪かった様だ。これは敵だろうか?何故か私と敵対している。
「なんだこいついるからいた?」
「仕方ねえ取引見られたら生かしちゃおけねえな。」
男達は銃やナイフなどを出し始めた。
その男は彼らをまるで認識などしていない様だったただ立ってるだけ、それが不気味さを増していた。
そして男達の全員が一斉に銃を打つ。
瞬間消えたのだ。そして彼は唱えた。
「魔法剣レヴァール」
瞬間光あたり一体に覆ったのだ。
光となって剣が消えると男たち同時に全員倒れる。
それは不可避であり不可視の一撃。
魂に傷をつける事で全員を気絶させたのだ。
「これはなんなんだ一体」
パトカーが一斉に彼を取り囲んだ。
「めんどくさい」と言っても彼は召喚して全て解決する事にした。それは運命の悪戯なのか聖杯は反応してしまったのだ。ここにサーヴァントは呼び出された。
本来触媒がないと召喚などできないが。運悪くそれは触媒として有用すぎた。裏取引それは違法で発掘されたものだった。
そこには刀と弓を携えた武士の姿あった。
「おぬしが私の主か?」
「まあ多分そうだ、とりあえずこの場から離脱したい」
「了解した」
そうして夜の街に消えた。
二人は人気のない公園にいた。
「さっきはありがとう」
「何主の命にしたがったまでよ。」
「でだ自分には記憶も無ければ、この世界の知識もない光り輝くこの都市について何も知らない。」
「まあ時間はある故、ゆっくり行きましょう。」
「あそういえば名前聞いてなかった。」
「私の名前は坂上田村麻呂と申します。以後お見知り置きを」
これは異世界の魔法剣聖と武神と言われた英雄の出会いだった。
数多もの英霊、つまりは歴史に名を連ねた英雄を現代に呼び出し戦わせる、という催し。最後の一人になるまで戦い、残った一組が願望機たる聖杯を得られる。これが、聖杯戦争における基本も基本、大前提となるルールである。
そんな、聖杯戦争に於いて重要となる要素の一つが、自身のサーヴァントの強さであることを、マスターの男──────『コラソン』は理解している。
単純に、戦闘能力が高ければ正面からの戦闘で敵を制圧、その腕っぷしだけで聖杯まで到達しうる可能性もあった。
四皇、海軍大将、王下七武海……兄の、ドフラミンゴ。コラソン自身、単騎のみで世界すらも揺るがす存在を知っていたことも起因する。
その点で言えば、自身が呼び寄せたサーヴァント……“アルターエゴ”にコラソンは信を置いてはいなかった。エクストラクラス、アルターエゴというクラスが、どのような性能を持つか、その部分が未知である、というのもそうだ。
更に、性能は普通、アルターエゴが言うには宝具こそ少々多様性が聞くが、取れる手が少ないのだ。
先行きが見えない暗澹たる気持ちを切り替える為にも、コラソンは煙草を吹かす事にした。この見慣れない、東京という都市では煙草を一服する時も喫煙所を探さなければならない、という事を知った時は大変驚いたものだ。
道端で煙草に火を付けた時の周囲の目線、そしてアルターエゴの一言でそれを思い知ったコラソンは、うんざりしたように肩を竦め、火をつける。カフェの、喫煙席。
そこに、コラソンとアルターエゴは小休止していた。
【おい、マスター】
聖杯戦争が始まって幾ばくも無いというのに、雲行きは暗い。特に、この聖杯を欲する、という方針を取っているコラソンは、それを色濃く感じてしまう。
自身の持つ能力が戦闘ではなく諜報、裏で行動することに長けているのも一因だった。
単純に、サーヴァントの強さがアルターエゴを上回る相手と戦う際、取れる行動がマスターの暗殺しかない、というのが、痛い。
最後の一組、己の力のみを用いて戦わざるを得ない場面に於いて、頼れるものが無いのだ。
(最低でも、他の主従と交渉は必須、か……)
【おい、マスター……】
はあ、と煙を吐いた。現状で言えばコラソンとアルターエゴの主従は、他の聖杯戦争参加者と比べても、弱い。間違いなく、下から数えた方が早い二人だ。それでも、この戦いに勝ち残るには、他の主従との協力、言わば同盟が必要だろうな、とコラソンは考えていた。
戦力的で劣るなら、人数差、兵力差で勝ちにいくしかない。この案にはアルターエゴからも支持されている。
(そこは気にすることじゃねェ、とは言ってるんだが……)
【……気づいていないのか……?】
今でこそ、霊体化で姿は伺えないものの、アルターエゴの気分は、少し落ち込んでいるのが読み取れた。
召喚直後、寡黙な方で、表情からも感情が読み取ずらい、アルターエゴの眉が、ほんの少し寄ったのを、コラソンは見逃さなかった。
何か気に障る事を言ってしまったか、と言えば、そういうわけでもないらしいが。
【なあ、アルターエゴ。いや──────『アイカワハジメ』】
何を思ったか、コラソンは念話を始める。アルターエゴ、その真名を呼んだ。
【あんたには感謝している。おれの願いの為に、手を貸してくれて】
息を吞むような、呼吸音。アルターエゴが動揺しているのが、念話越しでも読み取れた。
この英霊は、果たして如何なる道程を以って、サーヴァントに至ったのか、コラソンは知らない。
野暮であるから、と必要以上に聞くこともしなかった。ただ、彼が英霊と至る前は、確かに幸せであった、という事は聞いていた。だから、アルターエゴには願いが無い、と。
────おれの兄は……ドンキホーテ・ドフラミンゴは化け物だった────
【だから、今一度聞きたい。あんたには、本当は叶えたい願いがあるんじゃねェか】
【それは、無い】
即答だった。間髪入れずに、コラソンに返答する、アルターエゴ。
────きっと、兄は近い将来、おれの世界を壊すだろう。ようやく兄の手から逃れられたあいつだって、兄が、ドフラミンゴがいる限り真に幸せにはなれねェ。だが、それをおれは止められない……だから、聖杯がいる────
【ただ……そうだな。一つ、俺の問いに答えてくれないか、マスター……いや、『ロシナンテ』】
今度は、アルターエゴが問いかける番だった。平素のものよりも、低い声。コラソンは、アルターエゴがこの問いに掛ける真剣さを、感じ取った。この問いには、自身の全霊を以って、彼と共に戦う者として、真摯に答えるべきだと、コラソンは思う。
この答えを濁す事は、アルターエゴの大事な何かを、蔑ろにしてしまうことを直感していた。
────そうさ、おれの願いは────
【兄を殺す以外に、道はないのか】
【それは、無い】
コラソンもまた、即答だった。それだけは、譲れなかった。あの時、引けなかった引き金。死んだはずの己が、この世界に招かれた。ならば今の己の役目は最後のやり残し、きっとそれを引くことだろうと、確信していた
【……そうか】
言うなり、アルターエゴは押し黙った。一度、煙を吐いたコラソンが、再び問いかける。
今のやり取りで、何か、確信めいたものをコラソンは感じていた。
【アルターエゴ、あんたは……幸せだった、と言ってたな。だから、願いはいらねェと】
この、アルターエゴも地獄を見たのだろうか、とコラソンは思う。
自身が“下界”に下った時。天竜人に苦しめられた人々の叫ぶ怨嗟、それに負けぬ声量で、子供だけは助けてくれと叫ぶ父、床に伏した母、夜叉へと目覚めた、兄。
コラソンがそれらに苦しめられたのと同じように、アルターエゴも、何かで苦しんでいたのではあるまいか。そして、それを救ったのは。
【“家族”に、救われたのか】
【……ああ、その通りだ】
アルターエゴが続けた。ほんの少し、念話越しの声が、揺れる。
【だから、マスター。もう一度、俺は聞くぞ】
何だ、と惚けることはコラソンには出来なかった。
【兄を殺す以外に、道はないのか。例えお前たちが殺し合う事が運命だとしても、俺は─────】
「……ないさ」
その時の、コラソンの声が、震えている事に、アルターエゴは気づいていたのだった。
本心では、コラソンが、ロシナンテが兄を殺す以外の道は無いのか、誰よりも、それも無意識のうちに惑っている事の、証左であった。
何をどうやっても、兄に引き金を引けないことは、既に自らの過去が証明しているというのに。
【……分かった。俺はお前の想いを尊重する。お前の願いの為に、戦おう。マスター】
アルターエゴは、それを指摘しない事にした。
かつて、『人の想い』に、仲間の自己犠牲により、幸せを得ることができた、正真正銘の化け物、『ジョーカーアンデッド/仮面ライダーカリス』は、いや。
『相川始』は、だからこそコラソンの為に戦う事を決めたのだ。兄を止める、それ以外の理由。
その誰かの為に戦う、その想いまでもを否定することは、出来なかったから。
【すまねェな、アルターエゴ】
【気にするな、マスター。それよりだ】
今度は、普段の声色に戻って、アルターエゴが呼びかける。
そういえば肩が熱い。この店は冷房が効いていて、熱いと感じる事などない筈だが……?
【服が燃えているぞ】
「な……!?」
アルターエゴの一言に、コラソンはハッとした表情を露にした。最初に付けた煙草が、肩口の傍に位置している。ここで漸くコラソンは、煙草の火がマントに燃え移っている事に気が付いたのだった。
【コラソン/ドンキホーテ・ロシナンテ@ONE PIECE】【アルターエゴ(相川始)@仮面ライダー剣】
【マスター、サーヴァント、共に認証確認】
「サーヴァントを呼び出すのはこうっすね」
辺りが黒い霧に包まれサーヴァントは姿を現した
「クフフあなたが私のマスターですか」
それは黒髪に背中に翼を生やした禍々しい見た目をしたまさに悪魔と呼ぶべき容姿をしていた
「バラハっす。よろしくっす。何て呼べばいいっすか?」
「わたくしの事はクロとお呼びください。古き知り合いからの呼称の文字りです」
「んじゃクロ!ひと暴れといくっすよ!」
「クフフちょうどいい方々がいるようです」
これが原初の黒と暴食の悪魔との出会いであった
【バラハ@シークレットゲーム】
【キャスター(クロ)@転生したらスライムだった件】
【マスター、サーヴァント、共に認証確認】
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