全身黒タイツだった。 体型はほっそりとしている。 如何にも某アニメに出てくる犯人といった感じの見た目だ。 「あなたの名前は?」 ぼくが聞くと依頼者は俯いてぼそぼそと話した。 「悪いがそれは言えない。」 なるほど、これは訳ありだな。 詮索するのはやめておこう。 ぼくは依頼者を洋室へと案内し、赤いソファに座らせた。 「それで依頼は?」 ぼくがそう言うと、依頼者は頭を抱えてわぁーっと泣き始めた。