--故郷に戻って来たのは何年ぶりだろう?
そう思いながらエミリー・ロマンツォは空港から出てきた。
晴れ渡る空に目を細めていると、彼女の親友が太陽と同じくらいの輝きで出迎えてきた。
「エミリー!来てくれたのね!」
「アリシア!」
今日は高校の同窓会、海外で働いていたエミリーはギリギリまで予定が合わずなんとか当日に滑り込む事ができたのだった。
久しぶりの再会を喜んだ二人はそのままパーティー会場へと足を向ける。
その間もお互いに学生時代の話で盛り上がっていた。
「--それでその後こっそり抜け出してさ、彼と夜遅くまで好きなバンドの話を語り合ってたのー!」
「やだ、ステキー!」
「--続きまして、昨今のヴァンパイア問題についてのニュースです。」
二人の会話をかきけすように通りの電気屋に写ったニュースキャスターが淡々と世界の問題を読み上げた。