源武島

「あぁ金が有り余っている。」
男は生まれた頃から成金だった。欲しい物はいくらでも手に入る人生で、やりたいことはすべてやり尽くしてしまった。男はトイレ掃除をしながら自分の問題を解決できる方法を模索していた。トイレ掃除が終わり、男は高級なベッドに寝転がった。男は仰向けになりスマホでSNSで面白い記事を探していた。外は既に夜で、眠気が襲いかかる。スマホを持っている手の力が段々と抜けていき、スマホが男の顔面を直撃した。男は鼻に強い痛みを感じながらスマホを持ちスマホの画面を見た。しかし、先程見ていたページではなかった。顔に当たった衝撃で広告のページに飛んでしまったらしい。それは不動産の広告で、無人島の詳細が記載されていた。男はそれに目をつけた。海に囲まれた土地で休暇を過ごすのも良いだろう。それに頑張って事業を展開すればいいリゾート地になるかもしれない。
「源武島」と表記されている島を男は購入した。

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男は自家用ヘリコプターを使って源武島の下見に行った。島までかなりの距離があった。男はヘリコプターを進めながら、乗る前に下調べした源武島の話を振り返った。源武島は元々300人の人々が暮らしていた有人島で、ブリキのロボットを生産していたらしい。正しい名前は杉原島だが、"ブ"リキのロボットの"源"から源武島といつの間にか呼ばれるようになったという。しかし小島ということもあり、生産量が少ないがために工場が本土へ移転し、無人になってしまった。他の無人島にない特殊な経緯で無人になった源武島に男は惹かれたのである。ようやく島が見え、高地の真新しいヘリポートへと向かった。ヘリポートには2つの人影があった。男はゆっくりとヘリを降ろす。その時の風が2人の髪や服を強く靡かせる。ヘリが着地し、男は自信に溢れた顔でヘリから出た。

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2人は購入した島の手続きやヘリポートの建設に携わった不動産と建設会社の社員だった。2人は若い男性と赤い服を綺麗に着こなすかなり歳をとった女性だった。男の堂々した雰囲気に押されそうになるも2人は男に深くお辞儀をし、柔らかい笑顔を見せた。「出口不動産の久山です。源武島をご購入いただきありがとうございます。」女が先に口を開いた。それに続き男も「大海建設の赤崎です。今日は近々建設する別荘の予定地の説明に来ました。」男は「迎えに来ていただきありがとう、それでは案内してくれ。」男の高圧的な態度の口調に2人は背筋が凍ったが、それを男に悟られないように案内を初めた。3人は高地を下り、世間話を始めた。「まだヘリポートに行くときの階段は置かれていないんだな。赤崎さん。」「はっ、はい。別荘と同時に進める予定でして・・・・。」「久山さん、源武島にフェリーは呼べる?」「けっ、検討してみます。」男の独壇場は続く。

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