役満系個人Vtuber 登録者数100万人を目指す
プロローグ
28、これがなんの数字かわかるだろうか?
2番目に小さい完全数(約数の和が元の数の二倍になる数字、6、28、496、8128と続く)だって?
あはは、面白いマイケル(ジョーダン)だ。
なんてB級映画みたいなジョークは置いといて、俺は配信の準備をする。
そうして、配信開始ボタンを押した。
この動画配信アプリは、スマホで開いている画面もそのままLIVEするものだ。
右下には申し訳程度の人のイラストが載せてある。これはまだ動かないが。
「えっとー、こんばんはー。麻雀のレート戦やって行きます。」
適当すぎるだろと思う人もいるとは思うが、これでいい。
だって誰も見てないのだから。その証拠に現在の視聴者数、累計視聴者数が共に0となっている。
配信予定を出しているとはいえど、フォロワーの数は28人。その大半が相互フォローの関係だ。
いつものように始まった麻雀配信。が、南風戦、南ニ局、一本場でことは起こった。
第一話 役満
「この親で一位をとっておきたいなぁ。」
現在、一位対面、二位自分、三位下家、四位上家。
上家だけが大きく沈んでいる状況だ。多分初心者なのだろう。
3回くらい無筋の当たり牌に振り込んでいる。
それはそれとして、俺のとこに来た配牌。
ひかえめに言っても強すぎる。
東3枚、北2枚、南、西、中1枚ずつ、その他数牌。
とりあえず字牌を鳴いてトップを狙おう。
一巡目北を鳴き、第一ツモで南を引く。
そして三巡目で5pを自摸り、順子が出来る。なので、混一を狙うべく、余ったソウズを切る。
ここで気づいている人も多いだろうが、そう、小四喜一向聴だ。牌姿は、
5p6p7p東東東南南西中 北北北
こんな感じだ。
南を鳴いて中を切ればいい。
数巡あと、南が上家から出て、小四喜聴牌。
流石にここまでこれば、いつも騒いだりしない俺だが声のボリュームが上がってくる。
いつの間にか入ってきてたリスナーも、来たか!? 来るのか? などとコメントを打ち出す。
だがここで親からのリーチが飛んできた。
ここで俺が自摸ったのが無筋の6s。俺はお願いします! と言い、捨てた。
そのあと親の現物、スジとなる牌を引き続け、そのあと親から西が出た。
「よっしゃあ、小四喜! 」
やっぱり役満を上がれるのは嬉しいもんだ。
「これだから麻雀はやめらんねぇんだよな。
悪りぃ、時間的にもあれだからこの半荘でやめるわ。最後まで見ていってくれよな。」
そう言って、無事1位で終わった。
予告通り、ここで配信を切り、視聴者数を見てみた。累計243人。
この数は一見少ないように思えるが、実は今までで一番多いのだ。
やっぱり役満って視聴者稼げるのな。
見てて面白いし、そらそうか。
なんなら毎回役満でたら視聴者増えるのにな。
そしてこの時、俺の頭を何かがかすめた。
もやがかかって、まだはっきりとは分からないのだが、確かに視聴者数を稼ぐ方法を。
第二話 漢気麻雀
俺は今、大学からの帰り道に居る。
今日の講義は昼までだった。
照りつける太陽の中、俺はぼーっと歩いている。
それは太陽光や気温の高さのせいだけではない。
そう、昨日のことだ。手が届きそうなのに、手を伸ばせば散ってしまう。
そんな感覚が朝から今に至るまでずっと俺を襲っているのだ。
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